信託証書

信託証書(トラスト・インデンチャー)とは、債券発行体と第三者である受託者の間で締結される法的拘束力のある契約です。この合意は、債券の存続期間を通じて発行体と受託者が遵守すべき具体的な規則、責任、義務を明確に定めることで、債券保有者の利益を保護する役割を果たします。

実務上、発行体は通常、銀行や信託会社を受託者に指名し、投資家の代理として行動させます。証書には、収益源や保護的コベナンツ(制限条項)など、債券の条件が詳細に記載されます。これらのコベナンツには、発行体に対する制限や、一定期間の発行体による債券の買い戻しを禁止するコール・プロテクション(繰上償還制限)など、債券保有者の特定の権利が含まれる場合があります。

例えば、企業が資金調達のために債券を発行する場合、信託証書はその債務を管理する文書として機能します。発行体が義務を履行しなかった場合や特定の事象が発生した場合、受託者は証書内の規定に基づき、投資家を保護するために適切な法的措置を講じます。多くの社債は米国証券取引委員会(SEC)への届出が義務付けられていますが、一部の政府機関は免除されています。ただし、潜在的な購入者に安心感を与えるために、あえて信託証書を利用する場合もあります。

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