1株当たり有形純資産

1株当たり有形純資産(Tangible Book Value Per Share)は、企業の物理的な資産のみを考慮して、1株あたりの価値を算出する財務指標です。のれん(営業権)などの物理的実体がなく、清算時に評価や売却が困難な無形固定資産をすべて除外します。不動産、設備、在庫といった有形資産のみに焦点を当てることで、企業の基礎的な物理的価値をより明確に把握することができます。

この値を算出するには、企業の総有形資産を総発行済株式数で割ります。無形資産は破綻時に現金化が容易ではないため、計算から除外されます。このため、この指標は、企業が帳簿価格で資産を清算せざるを得なくなった場合に、株主が受け取れる可能性のある価値を評価するのに特に有用です。

例えば、自転車メーカーの場合、有形資産には工場建物、機械、原材料、在庫の完成車が含まれます。企業が財務的苦境に陥った場合、これらの項目が売却可能な中核的価値となります。投資家は、無形資産である知的財産に大きく依存する企業よりも、有形純資産が高い企業の方がより高い安全性を期待できるため、下値余地を測る指標としてこの数値を利用することがよくあります。

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