マルチプルとは、2つの特定の指標を比較(通常は一方を他方で除算)することで企業の評価を行う財務ツールです。この手法は、類似した資産は類似した市場価格で取引されるべきであるという理論に基づいています。企業の価値を業績との対比で示すことで、投資家は同業他社と比較して株式が割高か割安かを判断することができます。
この手法を用いる際、アナリストは利益、売上高、企業価値といった業績指標を選択します。これらの比率は、同一業界内の他社との比較に依存するため、相対評価指標とみなされます。一部のマルチプルは株式価値に焦点を当てますが、負債を組み込むことで企業の財務健全性や真の価値をより包括的に把握できるものもあります。
例えば、株価収益率(PER)は、投資家が企業の利益1ドルに対していくら支払う意思があるかを示す一般的なマルチプルです。ある株式の1株当たり利益が2ドルで、現在20ドルで取引されている場合、算出されるマルチプルは10となります。この数値を同セクターの他社のマルチプルと比較することで、投資家はその株式が魅力的な価格水準にあるかどうかを判断できます。