ハザード率とは、故障や死亡といった特定の事象が単位時間あたりに発生する頻度を算出する統計的尺度です。これは本質的に条件付き確率であり、ある時点まで生存(または稼働)していた対象が、その後の特定の期間内に故障する確率を表します。故障率という用語としばしば同義で用いられ、生存時間解析や信頼性工学における重要な指標です。
ハザード率を求めるにはハザード関数を用います。これは、対象の現在の経過時間に基づいて、事象が発生する傾向を評価するものです。この率は条件付きであるため、対象の全寿命を一度に考慮するのではなく、特定の瞬間における差し迫ったリスクに焦点を当てます。ハザード率が高いほど事象の発生頻度が高いことを示し、低いほど生存し続ける確率が高いことを示唆します。
例えば、長期間の信頼性が期待される経年車両を考えてみます。車両の初期段階ではハザード率は低いままですが、経年劣化に伴い機械的な故障の確率が高まるため、ハザード率は上昇傾向をたどります。この視覚的な表現は「バスタブ曲線」と呼ばれ、製品の耐用年数がいつ終了し、いつ非ランダムな故障が発生しやすくなるかを予測する際に、エンジニアや保険会社によって活用されます。