配当無関連理論

配当無関連理論とは、企業の配当政策が株価や市場価値全体に何ら影響を与えないとする経済学の概念です。1961年にノーベル賞受賞者であるマートン・ミラーとフランコ・モディリアーニによって提唱されたこの理論では、企業の価値は利益を株主にどのように分配するかではなく、中核事業を通じて収益を生み出し成長する能力のみによって決定されるとされています。

この理論によれば、配当の支払いは企業の長期的な財務健全性を損なう可能性があります。支持者は、配当金として支払われる資本は、成長を促進するために事業へ再投資されるべきであると主張します。効率的市場において、この理論は、現金配当の支払いは同額の株価下落を招き、投資家にとっての利益を実質的に相殺すると示唆しています。

例えば、多額の負債を抱える企業が、負債の返済に現金を使う代わりに株主を満足させるために配当を選択する場合があるとします。この理論の下では、企業が貸借対照表の強化よりも短期的な分配を優先しているため、そのような決定は有害であると見なされます。内部再投資や負債削減を犠牲にすることで、企業は将来の競争力や財務の安定性を制限してしまう可能性があるからです。

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