放棄信託(Disclaimer Trust)とは、遺言書に含まれる特定の条項であり、生存配偶者が相続した資産をそのまま受け取るのではなく、信託へ振り向けることを可能にするものです。生存配偶者がこれらの資産の所有権を放棄することを選択することで、資産は自身の課税対象となる遺産に組み込まれることなく、信託へと移転されます。この戦略は、主に亡くなった配偶者の遺産税控除枠を活用し、遺産税を最小限に抑えるために用いられます。
個人が死亡した際、生存配偶者には相続を承認するか、放棄するかの選択権があります。放棄を選択した場合、資産は遺言書の指示に従って信託に移されます。生存配偶者は多くの場合、この信託の受託者兼受益者となることができますが、資産へのアクセスは信託証書で定められた特定の条件によって制限されます。この仕組みにより、生存配偶者は資産から利益を得つつ、将来の遺産税から資産を保護することが可能になります。
税務計画以外にも、この取り決めには債権者からの資産保護や、特定の資産を子供や他の相続人のために確実に残すといった利点があります。例えば、配偶者が自身の遺産税控除限度額を超えるような大規模な遺産を相続した場合、相続分の一部を放棄することができます。その部分は放棄信託に流れ込み、生存配偶者の将来の死亡時にその資産が課税対象となることを防ぎつつ、生存配偶者に対して潜在的な経済的支援を提供し続けることができます。