デット・オーバーハング

デット・オーバーハングとは、企業や国家などの主体が、新規の収益性の高いプロジェクトへの投資を阻害するほど過大な債務を抱えている財務状態を指します。組織が既存の債務を徐々に返済できる程度の収益を上げていたとしても、現在の債務規模があまりに大きいため、将来の成長や投資に対する障壁となってしまいます。

この状況は、新規プロジェクトから得られる収益が、主体自身ではなく主に既存の債権者に帰属してしまうために発生します。その結果、投資の利益の大部分が古い債務の返済に充てられることになるため、株主や経営陣は新規事業に取り組む意欲を失います。さらに、債務不履行のリスクが高いため新規投資家は敬遠し、既存株主もこれ以上の損失を負担することを望まないことから、企業が新規の負債や株式を発行することも困難になります。

例えば、デット・オーバーハングに直面している企業は、利益が即座に既存の貸し手への返済に回されてしまうため、正味現在価値(NPV)がプラスの新規プロジェクトであっても拒否せざるを得ない場合があります。これにより、企業が成長を通じて債務から脱却できないという停滞の悪循環が生じます。国家の文脈では、この問題は自国の将来への投資能力を欠くことにつながり、経済衰退を招く恐れがあります。そのため、危機を解決するために債務再編や外部からの介入が必要となることが一般的です。

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