デット・アコーディオン

デット・アコーディオン(インクリメンタル・ファシリティとも呼ばれる)とは、既存の与信枠の最大借入可能額を拡大したり、既存の融資契約に新たなタームローンを追加したりすることを可能にする契約条項です。その名の由来となった楽器のアコーディオンのように、企業の資本ニーズの変化に合わせて融資契約を伸縮・拡大できる仕組みです。

これらの条項は通常、コマーシャル・ローン契約の締結時に交渉されます。この条項を含めることで、企業は全く新しい融資契約を作成することなく、迅速に追加資金を調達できる柔軟性を得ることができます。追加融資の金利や条件は元の契約に準じることが多いため、一般的にコスト効率が高く、手続きも迅速です。ただし、これらの追加資金へのアクセスは、通常、企業が特定の財務制限条項(コベナンツ)や業績目標を達成していることが条件となります。

例えば、スタートアップ企業が買収の可能性に備えて、あらかじめデット・アコーディオンを確保しておくケースがあります。企業が順調に成長し、プロフォーマ(予測)の期待値を満たせば、アコーディオン条項を発動して即座に与信枠を拡大できます。これにより、企業はゼロから新規融資を確保する際に生じる事務的な遅延を回避し、競争の激しい環境下で迅速に行動することが可能になります。

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